甲状腺機能異常
甲状腺機能異常
甲状腺ホルモンを測定する血液検査や、甲状腺の腫れ・しこりの状態を確認する超音波(エコー)検査を用いて、現在の状態を的確に把握し、正確な診断を心掛けております。
健康診断で甲状腺の異常を指摘された方の精密検査や、診断後の継続的な治療・お薬の調整に対応します。
皆様のライフスタイルに寄り添った無理のない生活指導も行います。
より詳細な精密検査が必要なケースや、手術などの外科的治療が必要となる場合には、速やかに甲状腺専門医のいる施設や高度医療機関と連携し、ご紹介する体制を整えています。
甲状腺は、首の前(のどぼとけのすぐ下)にある臓器で、全身の新陳代謝をコントロールする「甲状腺ホルモン」を分泌しています。
このホルモンは、全身の臓器に作用して体の発育を促進し、活動を活発にする大切な働きを持っています。
そのため、甲状腺の機能に異常が生じてホルモンが多すぎたり少なすぎたりすると、全身のバランスが崩れ、さまざまな体調不良を引き起こします。
甲状腺ホルモンが過剰に作られてしまう病気の代表格がバセドウ病です。
本来は体を守るための免疫系が過剰に反応することで、甲状腺ホルモンが必要以上に作られ、全身の代謝が異常に高まることでさまざまな症状が現れます。
外見上の変化としては甲状腺全体が大きく腫れてくるほか、眼球が突出して目が完全に閉じなくなることもあります。
大きく分けて、
の3つがあります。
まず抗甲状腺薬による薬物療法から行われることが一般的です。
薬物療法を2年以上継続しても薬を中止できる目途が立たない場合や、薬の副作用で治療継続が難しい場合には、他の治療法が検討されます。
橋本病は慢性甲状腺炎とも呼ばれ、甲状腺ホルモンが少なくなる病気の代表的な疾患です。
女性に圧倒的に多く(男女比は約1:20~30)、成人女性の10人に1人がかかるとされる非常に身近な病気です。
特に30~40代の女性に発症することが多い疾患です。
免疫の異常によって甲状腺に慢性的な炎症が生じ、少しずつ細胞が壊されていきます。
首が太く腫れたように感じることもあります。
ただし、すべての患者さんで必ず甲状腺ホルモンが少なくなるわけではなく、実際に甲状腺機能低下症(ホルモンが不足した状態)になるのは4~5人に1人未満といわれています。
※これらの症状は「うつ病」や「更年期障害」と間違われて治療されていることも少なくありません。
疑わしい症状が続く場合は、一度血液検査や超音波検査を受けることをおすすめします。
自覚症状に乏しく甲状腺ホルモンが正常に保たれていれば、原則として治療は必要ありません。
甲状腺機能低下症が認められる場合は、合成T4製剤(甲状腺ホルモン薬)の内服によるホルモン補充療法を行います。
また、昆布などの海藻類に多く含まれるヨウ素を摂りすぎると甲状腺の働きが低下してしまうため、過剰摂取が疑われる場合は食事内容の制限が必要になることもあります。
倦怠感など甲状腺機能低下症の症状が強い場合、治療によって甲状腺ホルモンが正常に戻るまでは、あまり体に負担をかけないように心がけましょう。
甲状腺にできる「しこり」のことで、無症状のことが多いため、ご自身で偶然気づいたり、健康診断の超音波検査などで指摘されたりする方が増えています。
腫瘍の約9割は「良性」ですが、悪性腫瘍(甲状腺がん)が隠れていることもあるため、しっかりとした見極めが重要です。
なお、甲状腺がんの90%以上は進行が穏やかな「乳頭がん」というタイプです。
甲状腺に腫瘍がみつかった場合、まず超音波検査を行います。
悪性が疑われれば、精密検査として細い注射針で細胞を吸い取って調べる検査(穿刺吸引細胞診)を行い、良性か悪性かを判断します。
良性であれば原則的に経過観察となりますが、腫瘍が大きくて首が圧迫されたり、見た目が気になったりする場合などは手術が検討されます。
悪性(がん)の場合は手術が基本ですが、発見されたのが1cm以下の「微小がん」であり低リスクと判断される場合には、最近はすぐに手術はせず定期的な検査で様子を見る「積極的経過観察」とすることも多くなっています。
良性と判断された場合や、微小がんで経過観察となった場合でも、途中で腫瘍が大きくなるなど、経過とともに悪性の可能性が高まってくることがありますので、定期的な経過観察が非常に重要です。
甲状腺にしこりができる病気の中で最もよく見られます。甲状腺の細胞が増えたり壊れたりを繰り返してしこりが作られます。
良性の病気ですので、首の圧迫感など強い症状がなければ経過観察となります。
しかし、長い経過の中で、しこりが勝手に甲状腺ホルモンを産生し、バセドウ病のようにホルモン過剰の状態(中毒性多結節性甲状腺腫)になってしまうこともあります。
その場合は、状況によって薬物療法(抗甲状腺薬)、手術、放射性ヨウ素内用療法(アイソトープ治療)、経皮的エタノール注入療法(PEIT)などの治療が必要になります。
甲状腺に炎症が起こり、組織が壊れてしまう病気です。
風邪を引いた後などに続いて起こることが多く、ウイルス感染が関係しているのではないかと考えられています。
時間はかかりますが、自然に炎症や症状は治まっていきます。
しかし、高熱や首の痛みがひどく生活に支障が出る場合は、症状を和らげるためにステロイド剤や痛み止め(抗炎症薬)を使用します。
ステロイド剤の内服で症状は速やかに改善しますが、自己判断で急に内服を中止すると症状がぶり返すことがあるため、必ず医師の指示通りに少しずつお薬を減らしていく必要があります。
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